Ultrasonic Testing

超音波探傷試験

超音波探傷試験の特徴

試験対象
試験対象材は主に金属で炭素鋼やステンレス及び非磁性体(アルミニウム,銅など)となります。
  
  
  

・超音波(20kHz以上の周波数)バルスにより,試験体内部におけるきずが検出対象となります。

  
   

 他の非破壊試験方法と比較

・試験体の内部きずが検出できます。

・探傷が電気信号で得られデジタル化に適します。  
・探傷したデータが保存できます。

・超音波の減衰が著しい鋳鉄品,溶接部の結晶粒が粗大で減衰が大きいオーステナイト系ステンレス鋼は探傷ができません
 

超音波探傷試験の基礎
圧電素子に電圧を加えると電圧に応じたひずみが発生します(逆圧電現象)。この電子素子の両面に電極を設けたものが振動子で,振動子の片面を試験体に接触させると振動で縦波が送信されます。送信された縦波が反射源から伝搬してくると振動子に振動が加わり,この大きさに応じた電圧が受信されます(圧電現象)。
 

超音波探傷試験の伝搬方向による分類


超音波探傷試験の適用例1
発電設備・石油・化学プラントにおける保守検査でのタンク底板厚さ測定の超音波探傷試験をご紹介します。 

 
 

 超音波厚さ計の装置

 
  

・対比試験片 
対比試験片は試験体と材質などが同一な物を使用します。対比試験片は試験体の厚さ寸法値が加工厚さ範囲内に含まれます。

  

・探触子
超音波厚さ計の送信部から送信パルスを超音波パルスに変換し試験部に伝搬させ,反射源からの超音波パルスを受信し電気信号に変換して超音波厚さ計に送信します。
測定結果。

 

超音波探傷試験の適用例2
発電設備・石油・化学プラントにおける構造物溶接部の超音波探傷試験をご紹介します。

  
 

 
超音波探傷試験装置

 

・標準試験片
標準試験片は超音波装置の校正や調整,探触子の性能測定に用いられ,検定されたものであるので試験結果を相互に比較できます。 

  

・探触子
斜角探触子は超音波の送信部から送信パルスを超音波パルスに変換し試験面に超音波を斜めに伝搬させ,反射源からの超音波パルスを受信し電気信号に変換して超音波探傷器に送信します。 

  

・超音波探傷器
探傷器は探触子へ送信パルスの電力を供給し,反射源から探触子に伝達されたパルスの微弱信号を増幅しビーム路程を読み取り反射源までの位置を測定し波形表示などを電気的に表示します。また探傷データを電子媒体などに記録できます。

 
 

きず位置の測定方法

領域区分の例 

STB-A2のφ4×4の標準穴を探傷してそのエコー高さを合わせた線をH線とする。H線より6dB低いエコー高さ区分線をM線し,12dB低いエコー高さ区分線をL線とする。エコー高さ区分線の領域区分H線,M線及びL線で区切られたそれぞれの領域を以下のように区分します。

きずの分類例
検出されたきずは,L線を越えるものを対象(L検出レベル)とし,エコー高さの領域ときず指示長さに応じて下記表に従って分類します。